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マウスピース矯正の痛みのピークはいつまで?痛い理由と和らげる方法

25.08.05

 

マウスピース矯正における「痛み」について、不安や悩みをお持ちではありませんか?

 

マウスピース矯正は装着開始から約1日以内に痛みのピークを迎え、その後は数日かけて徐々に和らいでいくのが一般的です。

 

痛みの主な原因は歯を動かすための圧力によるものであるため、これを避けることはできません。ただし、多くの場合は耐えられる程度の痛みであり、適切な対処によって軽減することもできます。

 

本記事では「マウスピース矯正の痛み」に関して経過や原因、和らげる方法、さらにワイヤー矯正との痛みの違いについて詳しく解説します。

マウスピース矯正はいつが一番痛い?

 

マウスピース矯正で感じる痛みは、装着直後から時間経過で変化する傾向にあります。一般的に最も痛みが強いのは装置装着後24時間以内(初日)であり、その後は日毎に痛みが軽減していきます。

 

ここでは装着初日から治療後期までの痛みの変化を段階ごとに解説します。

 

  • 初日〜24時間:痛みのピークタイム
  • 2〜3日目:ヒリヒリから鈍痛へ変化
  • 4日目〜1週間:違和感レベルに減少
  • 毎回の交換直後:ピーク→鈍痛のサイクル
  • 治療後半〜終了時:微調整用の装置やリテーナーの軽い痛み

 

初日〜24時間:痛みのピークタイム

マウスピースを装着して最初の数時間〜24時間ほどは、痛みのピークタイムです。

 

装置から歯に加わる圧力によって歯の周囲組織(歯根膜)が圧迫され、炎症反応が起きるため痛みを感じます。なお、インドでの研究によれば、矯正装置装着後の痛みは4〜24時間以内に急激に強まり、24時間頃に最大となることが報告されています。

 

このピーク時の痛みは、歯が強く押されるような鈍い痛みや圧迫感として感じる人が多いですが、中にはヒリヒリとしみるような痛みや、ズキズキと脈打つ痛みを訴える方もいます。ただし、マウスピース矯正の痛みは比較的鈍痛であることが多く、激しい痛みになることは少ないとされています。

 

参考:Orthodontic pain with fixed appliances and clear aligners: A 6-month comparison - PubMed

 

2〜3日目:ヒリヒリから鈍痛へ変化

装着から2日目以降になると、初日のピークを越えて痛みは徐々に和らぎ始めます。

 

多くの研究でも2〜3日で次第に痛みが軽減すると報告されており、痛みの種類もヒリヒリと敏感だった痛みが、2〜3日目には鈍痛に変わったと示されています。もちろん依然として「歯が浮いたような違和感」が残ることは多いものの、痛み自体はピーク時よりかなり弱まります。

 

参考:Comparison of pain intensity and impacts on oral health-related quality of life between orthodontic patients treated with clear aligners and fixed appliances: a systematic review and meta-analysis

 

4日目〜1週間:違和感レベルに減少

装着から4日目以降になると、痛みはかなり治まってほぼ違和感程度になります。

 

ある研究によれば、矯正による炎症性の痛みは装着から1週間ほどで装着前の状態まで落ち着くとされています。この時期には歯の動きにも口腔内が慣れてくるため、「噛む時に少し圧迫感がある」「装置を入れている違和感がある」程度で、日常生活に支障をきたすような痛みはほぼ無くなります。

 

また、マウスピース矯正は弱い力を継続的にかけて歯を動かすため、一般的なワイヤー矯正に比べて痛みや神経への刺激が抑えられると考えられています。

 

参考:Pain Perception and Dietary Impact in Fixed Orthodontic Appliances vs. Clear Aligners: An Observational Study

 

毎回の交換直後:軽い痛みの繰り返し

通常1〜2週間ごとに新しいマウスピースに交換しますが、その度に軽い痛みが繰り返されます。

 

新しいマウスピースを装着した直後は毎回ある程度の締め付け感や圧迫による痛みを感じますが、その程度は初めてマウスピースを装着した時ほど強くはありません。

 

実際の研究でも「新しい装置に替えた直後に少し痛みがぶり返すが、数日でまた落ち着く」という軽い痛みを繰り返すことが多く、痛みが長引いたり激しくならない傾向にあることが報告されています。

 

参考:Orthodontic pain with fixed appliances and clear aligners: A 6-month comparison - PubMed

治療後半〜終了時:微調整用の装置やリテーナーの軽い痛み

治療後半〜終了時にかけては細かな位置調整が中心で、痛みも初期よりさらに軽くなる傾向にあります。

 

ただし、咬み合わせ改善のための小さなスプリング・ゴムなど補助装置を使用する場合、ごく軽い痛みや違和感を覚えることがあります。例えば、最後の仕上げ段階で顎間ゴムを併用すると張力による軽い痛みを感じることがありますが、これも通常は一時的なものです。

 

治療終了後についてはリテーナー(後戻り防止用の保定装置)を装着しますが、歯列に密着するので装着開始直後に軽い締め付け感や痛みを感じる場合があります。これは歯が元の位置に戻ろうとする力にリテーナーが抵抗することで起きる痛みですが、通常痛みは1〜2日ほどで自然に収まる傾向にあります。

マウスピース矯正が痛い理由

 

そもそもマウスピース矯正装置を付けるとなぜ痛みが生じるのか?その原因には、いくつかの医学的・物理的な理由があります。

 

ここで解説する痛みの原因を知っておくことで、適切な対処や心構えがしやすくなります。

 

  • 歯の移動に伴う装置の圧力
  • 新しい装置の定着不足
  • 装置による粘膜刺激
  • アタッチメントや顎間ゴムの痛み
  • 後戻りによる痛み

 

歯の移動に伴う装置の圧力

矯正治療の痛みで最大の原因となるのが、歯を移動させるための装置の圧力です。

 

マウスピース矯正では、透明なマウスピース型の装置が歯に力を加えて少しずつ移動させますが、この時に歯を支えている歯根膜や歯槽骨などの組織が圧迫されます。その結果、歯周組織内の血管や神経が圧迫・炎症を起こし、痛みとして感じるようになります。

 

つまり「歯が動いている証拠」として痛みが出るわけであり、この痛みは矯正治療を受ける以上避けられないものです。ただし、前述のとおり痛みは一時的なもので体が順応すれば軽減していきます。

 

参考:Insight into orthodontic appliance induced pain: Mechanism, duration and management

 

新しい装置の定着不足

マウスピースを新しく交換した直後や装着し始めたばかりの時は、装置が歯にまだ完全にフィットしていない状態になることがあります。

 

装置が歯にしっかりはまらず浮いていると一部の歯に過度な圧力がかかったり、装置と歯の間に隙間ができて均等に力が伝わらないことがあります。その結果、特定の歯や部位に痛みや違和感を生じる原因となります。

 

このような定着不足による痛みは、装置を正しく装着し直したり、チューイー(マウスピースを歯に密着させるための補助具)を噛んで装置を歯にしっかり馴染ませることで軽減できます。

 

装置による粘膜刺激

マウスピース矯正はワイヤー矯正より口腔内の違和感が少ないと言われますが、それでも装置が頬の内側や唇・舌などの粘膜に触れて刺激となることがあります。

 

具体的には「下唇の裏側が擦れてヒリヒリする」「頬の内側が当たって口内炎ができてしまった」などのケースが挙げられますが、特にこれらは長時間着用による唾液の減少(口腔内の乾燥)で摩擦が生じやすくなるゆえに起きる傾向にあります。

 

アタッチメントや顎間ゴムの痛み

マウスピースの矯正力を補助するためのアタッチメントや顎間ゴムが痛みの原因になる場合もあります。

 

アタッチメントとは、歯の表面に装着される小さな突起物のことで、マウスピースの適合を良くし歯に力を伝えるために使用される場合があります。そして、アタッチメントが付いた歯は装置から強い力がかかりやすくなるため、歯が動く際の圧力が他の歯よりも強く、より痛みを感じやすくなります。

 

顎間ゴムについては、上下の歯に小さなゴムバンドを引っ掛けて噛み合わせを調整するもので、マウスピース矯正でも必要に応じて使用することがあります。ゴムは歯や顎に追加の力をかけるため、付け始めの頃に歯が引っ張られるような痛みや、噛み締めた時の違和感、あるいは顎の筋肉痛のようなだるさを感じることがあります。

 

ただし、いずれも痛みが生じるのは付け始めの数日間であり、通常は次第に馴染んで激しい痛みになることは少ない傾向にあると言えます。

 

後戻りによる痛み

歯列矯正によって移動した歯は、元の位置に戻ろうとする「後戻り」が生じます。この後戻りが起こった状態で再びマウスピースを装着すると痛みが生じる場合があります。

 

例えば、決められた装着時間(1日20時間以上など)を守らずに長時間マウスピースを外していた後に装置をはめ直すと、「締め付けが強く痛みが増した」と感じることがあります。これは外している間に歯がわずかに元の位置に戻り、装置とのズレが生じたことによって起きた痛みです。

 

同様に治療終了後にリテーナーをきちんと装着しないと歯列が少しずつ後戻りしてしまい、数日ぶりにリテーナーをはめた際に強い痛みを感じることがあります。幸いにもこうした後戻りによる痛みも装着を続けることで歯が再度正しい位置に戻り、数日で収まるケースがほとんどです。

 

マウスピース矯正の痛みを和らげる方法

 

マウスピース矯正の痛みを和らげる方法は次のとおりです。

 

  • 痛み止めを服用する
  • 患部を冷やす
  • 柔らかいものを食べる
  • 十分な睡眠を取る
  • 適切にチューイーを噛む
  • 歯科医師に相談する

 

いずれも初心者でも実践しやすい対処法ですので、痛みが辛い時は試してみてください。

痛み止めを服用する

まず手軽で効果的なのが痛み止め薬の服用です。

 

市販の鎮痛薬(イブプロフェン、アセトアミノフェン=パラセタモール等)は、矯正に伴う炎症や痛みを和らげるのに有効であり、研究でも矯正装置装着後に鎮痛薬を使用する患者さんは少なくなく、適切に用いれば痛みをかなり軽減できることが分かっています。

 

もちろん鎮痛剤は用法用量を守り、長期間連用しないよう注意しましょう。また数日経っても痛みが治まらない場合は、無理に薬でしのがず歯科医に相談することも大切です。

 

参考:Orthodontic pain with fixed appliances and clear aligners: A 6-month comparison - PubMed

患部を冷やす

歯や歯茎がズキズキと痛む場合には、患部を冷やすのも効果的です。

 

痛みを感じる箇所に冷たいタオルや保冷剤を当てて冷やすと、血行が一時的に収縮し炎症が鎮まるとともに感覚が麻痺して痛みを感じにくくなります。

 

ただし、直接肌に氷を当てると凍傷になる恐れがあるため必ず布で包み、長時間連続して冷やしすぎないように注意してください(1回15分が目安)。

柔らかいものを食べる

矯正中の歯は歯周組織が炎症を起こしているため、食事は柔らかいものを選ぶことで痛みを緩和することができます。

 

具体的には、スープ、ヨーグルト、オートミール、おかゆ、よく煮込んだ野菜・肉・魚などがおすすめです。例えば朝食ならヨーグルトやスクランブルエッグ、昼食・夕食ならシチューや煮込み料理、豆腐料理、麺類など、噛まずに済むか軽く噛む程度で食べられるメニューが適しています。

 

痛みが落ち着いてきたら徐々に通常の食事に戻して構いませんが、矯正期間中はできるだけ片側に偏らず両側均等に噛むよう意識しましょう。

十分な睡眠を取る

意外かもしれませんが、十分な睡眠を取ることも痛みの感じ方に影響します。

 

人間の身体は疲労していたり睡眠不足だと痛みに敏感になる傾向があり、研究でも一晩徹夜した翌日は痛みの閾値(しきい値)が下がり、普段より弱い刺激でも痛みを強く感じてしまうことが確認されています。つまり、しっかり休息を取っている時の方が痛みの程度は楽になります。

 

具体的には、少なくとも毎日7〜8時間程度の睡眠を心がけましょう。装置の違和感で寝付きにくい場合は就寝前に痛み止めを服用したり、室温調整や軽いストレッチを取り入れるなど、「痛いから眠れない」ではなく「眠ることで痛みを和らげる」という発想で工夫を凝らしてみましょう。

 

参考:Poor sleep can change your reaction to pain - Harvard Health

適切にチューイーを噛む

マウスピース矯正特有のアイテムには「チューイー」があり、チューイーを噛んで装置を完全にフィットさせることで前述の「定着不足」による局所的な痛みを防ぐ効果が期待できます。

 

チューイーは直径1〜2cmほどの円柱状の柔らかいシリコン製の補助具で、マウスピースを歯に密着させる役割を果たします。チューイーを噛むことで装置がしっかりはまれば力が均等に伝わり、局所的な圧力点も減るため痛みが和らぎます。

 

また、チューイーを適度に噛むことで歯周組織の血行が促進され、鬱血やむくみが軽減して痛み物質の洗い流しを助けると考えられています。事実、矯正患者における研究ではガムを噛むなど、噛む運動をした人は鎮痛薬に匹敵するほど痛み軽減効果があったと報告されています。

 

参考:Chewing gum as a non-pharmacological alternative for orthodontic pain relief: A randomized clinical trial using an intention-to-treat analysis

歯科医師に相談する

痛みがどうしても我慢できない場合は、遠慮せず歯科医師に相談することも大切です。

 

矯正の痛みには個人差があり、中には極端に強く感じてしまう人もいます。また明らかにおかしい痛み(一本だけ激痛が続く、顎関節に痛みが出て口が開けにくい等)の場合は、装置の不具合や予期せぬトラブルの可能性もあります。そのような時は我慢せず専門家の判断を仰ぎましょう。

 

歯科医師は痛みの相談にも慣れており、状況に応じて適切なアドバイスや処置をしてくれます。マウスピース矯正は基本的に自分で装置を着脱する治療ですが、何か異変を感じたら自己判断せず医師に相談することが、安全で快適に治療を進める上で重要になります。

マウスピース矯正とワイヤー矯正で痛みが少ないのは?

 

歯列矯正を検討する上で「マウスピース矯正とワイヤー矯正、痛いのはどっち?」という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?

 

結論から言えば、痛みが少ないのは一般的にマウスピース矯正の方であり、多くの調査や研究でも示されています。

 

例えば、2024年に発表された臨床研究では、マウスピース矯正とワイヤー矯正の成人患者を6ヶ月にわたり比較しました。その結果、ワイヤー矯正の患者は2回目以降の調整(ワイヤー交換)後に毎回強い痛みを訴え、特に調整2日後の痛みの強さが顕著でした。一方、マウスピース矯正の患者は初回こそ痛みを感じたものの、その後の痛みの強度は終始低く抑えられていたと報告されています。

 

また別のメタアナリシス(複数研究の統合解析)でも、治療開始直後から数日目にかけて、マウスピース矯正患者の疼痛レベルはワイヤー矯正患者より一貫して低かったことが示されています。特に装着3日目や4日目の時点での痛みの比較では、マウスピース矯正の方が統計的に有意に痛みが軽いという結果が得られています。

 

もちろん痛みの感じ方には個人差があり、「マウスピースでも痛かった」「ワイヤー矯正でもあまり痛くなかった」という人もいますが、統計的にはマウスピース矯正は痛みが少ないことが明らかになっています。ゆえに痛みに不安のある方にとって、マウスピース矯正は大きな判断材料の1つになるのではないでしょうか。

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※検診後、マウスピース矯正ローコストを始めない場合は追加で費用は発生いたしません。
※提携先歯科クリニックの診断により、レントゲン等別途費用がかかる場合があります。

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※自由診療となり、保険は適用されません。 ※1日20時間以上、器具を取りつけることで効果を発揮します。 ※マウスピース矯正ローコストに限らず、どの矯正方法においても、歯の動き方や効果の感じ方は個人差があり、満足のいく結果が得られない可能性がございます。