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歯科矯正の平均期間はどれくらい?年齢別・症例別・装置別に徹底解説

25.07.04

 

「歯の矯正を考えているんだけど、治療期間はどれくらいになるのだろう?」と疑問をお持ちではありませんか?

 

結論から言うと、歯列矯正の治療はトータルで約3〜5年程度かかることを見込んでおくのが一般的です。

 

ただし、歯列矯正の期間は単一要因で決まるものではなく、実際の矯正期間は患者の年齢や歯並びの状態、使用する装置の種類、治療方針といった様々な要因が絡み合って人それぞれ大きく異なります。

 

とはいえ、自分は大体どの程度の期間がかかるのか、これから矯正治療を受ける上では把握しておきたいところかと思います。

 

そこで本記事では、矯正治療の基本的な流れと各段階に要する期間、治療期間に影響を与える要素、年齢別・症例別・装置別の平均期間、そして矯正期間を短縮するためのポイントについて詳しく解説します。

歯列矯正における基本的な流れと期間

 

歯列矯正の流れは大きく「準備期間」「矯正期間」「保定期間」の3段階に分かれており、それぞれの段階で必要な処置と期間の目安が異なります。

準備期間(数週間~1ヶ月程度)

矯正治療を開始する前の「準備段階」として、初診相談・精密検査・治療計画の策定などが行われます。

 

初診相談では口腔内の状態を診察し、レントゲン撮影や歯型採取などの精密検査を経て治療計画を立てる流れになります。この準備期間は歯科医院の体制や矯正装置の種類によって異なりますが、初診から実際に矯正装置を装着するまでに概ね数週間〜1ヶ月程度が目安です。

 

ただし、抜歯が必要な重度の症例であったり、顎骨格そのものに問題がある「顎変形症」と診断された場合、抜歯や外科手術を伴う矯正治療が必要となるため、期間は大幅に長くなります。

矯正期間(1年半〜3年程度)

「矯正期間」は、実際に矯正装置を装着して歯を少しずつ動かしていく期間です。治療期間は個人差があるものの、一般的には1年半〜3年程度かかると言われています。

 

あくまで一例ですが、公益財団法人日本臨床矯正歯科医会によれば、ワイヤー矯正による永久歯列の全体矯正で平均2〜3年かかるケースが多いとされています。もちろん、患者の年齢や症例、使用する矯正装置、適応範囲(全体矯正または部分矯正)でこの期間は大きく異なります。

 

なお、上記を見て「矯正期間が長すぎる」と感じた方もいるかもしれませんが、歯を動かすスピードは1ヶ月あたり約0.5〜1mm程度と非常にゆっくりです。当然ですが、治療において安全面も考慮する必要があるため、治療完了までには時間がかかることを予め理解しておく必要があります。

保定期間(1年〜3年程度)

「保定期間」は、矯正装置を外した後に動かした歯列をその位置に安定させるための期間です。保定期間中は「リテーナー」と呼ばれる保定装置を装着し、歯が元の位置に戻ろうとする後戻りを防ぎます。

 

保定期間の長さについては様々な見解がありますが、平均的には1年〜3年程度リテーナーを使用するのが一般的です。歯科医によっては「保定期間は長ければ長いほど良い」としており、実際に3年以上あるいは生涯にわたって保定を行うケースも少なくありません。

 

少なくとも保定初期の半年〜1年程度は歯が不安定で後戻りしやすいため、担当医から指示された期間は毎日リテーナーを装着する必要があります。保定を怠ると整えた歯並びが元の位置に戻り、再治療が必要になる恐れもありますので、保定期間も治療の一部として捉えましょう。

歯科矯正の期間を決める要素

 

記事冒頭で「歯列矯正の治療は全体で約3〜5年程度かかる」と言いましたが、人によっては1年で済む場合もあれば、5年かかる場合もあります。一人一人期間が異なるのはなぜでしょうか?

 

それは、治療期間が単一要因で決まることはなく、複数の要素が複雑に絡み合って決まるためです。ここでは矯正期間を左右する下記5つの要素について、専門的な視点から解説します。

 

  • 年齢(骨代謝)
  • 症例の難易度
  • 装置の種類
  • 患者の協力度
  • 医師の治療方針

 

年齢(骨代謝)

年齢は、矯正期間に大きな影響を与える要因の1つです。

 

歯が動く仕組みは、歯を支える骨の吸収と再生、すなわち「骨代謝」に基づいています。一般的に成長期の子供や若年者は骨代謝が活発で、顎骨の成長を利用することで歯を効率的に動かせる傾向にあります。

 

一方、骨の成長が完了した成人は骨代謝のスピードが緩やかになるため、若年者と比較して歯の移動に時間がかかることが一般的です。もちろん、矯正自体が不可能なわけではなく、適切な治療計画のもとであれば、40代や50代、あるいはそれ以上の年齢でも歯並びを整えることは可能です。

症例の難易度

症例の難易度は、治療期間を左右する最も大きな要因です。

 

歯並びの問題が、歯の傾きや位置だけに起因する「歯槽性」のものか、顎の骨格の大きさや位置に起因する「骨格性」のものかによって、治療の複雑さと期間は大きく異なります。

 

例えば、軽度の叢生(ガタガタの歯並び)やすきっ歯など、歯の移動距離が短い場合は比較的短期間で治療が完了します。しかし、歯をきれいに並べるためのスペースがなく抜歯が必要な場合や、噛み合わせが大幅にズレている場合は歯を大きく動かす必要があるため、その分治療期間も長期化します。

 

特に上顎や下顎が前後左右に大きくズレているといった骨格性の問題(顎変形症)が原因である場合、矯正治療だけでは根本的な改善が難しく、外科手術を併用する必要があります。このような外科的矯正治療は「術前矯正」「外科手術」「術後矯正」という複数のステップを踏むため、トータルの治療期間は3年以上になることも珍しくありません。

装置の種類

矯正治療には、歯の表側または裏側に装置をつけるワイヤー矯正、装置が目立たないマウスピース矯正など様々な種類があります。前述の症例の難易度ほど期間に大きな差はないものの、それぞれ得意とする症例が異なるため、治療期間を最優先する場合は装置の選択が重要になります。

 

具体的には、ワイヤー矯正は重度の症例を含め適応範囲が広いという利点を持つ一方で、装置が目立つことや痛みを伴うことが難点となります。逆にマウスピース矯正は適応症例が軽度〜中等度に制限されますが、無色透明で装置が目立たず、着け心地も比較的快適というメリットを持っています。

 

いずれにせよ装置の選択は、歯科医師との相談を十分に行い、どの装置がご自身の症例に対して効率的なのかを吟味することが重要です。

患者の協力度

矯正期間を計画通りに進める上で、患者自身の協力度は極めて重要な要素です。

 

特にマウスピース矯正を選択した場合、最終的な治療期間は患者の自己管理能力によって大きく左右されます。具体的には、マウスピース矯正は1日20時間〜22時間以上の装着が必須であり、この装着時間を守れなければ歯は計画通りに動かず、治療期間の長期化を招くことになります。

 

またワイヤー矯正とマウスピース矯正ともに、噛み合わせを調整するために「顎間ゴム」と呼ばれる小さなゴムを患者自身でかける処置が必要になることがあります。こちらも指示通りに行わなければ、歯並びは整っても噛み合わせが改善されず、結果的に治療が長引く原因となります。

 

これら以外にも、定期通院を怠らないこと、装置の清掃を丁寧に行うこと、口腔内を健康に保つことなど、患者が積極的に治療に協力する姿勢がスムーズな治療を行う上で重要となります。

医師の治療方針

同じ患者の歯並びであっても、担当する歯科医師の診断や治療方針によって、提案される治療計画や期間が異なる場合があります。矯正歯科治療には様々な治療法や考え方が存在しており、どういったアプローチをするかは歯科医師の経験や知識に委ねられる部分が大きい側面があります。

 

例えば、複雑な症例に対して、ある歯科医師は歯のスペース確保のために抜歯治療を選択するかもしれません。この場合、抜歯の処置に加え、抜歯で生まれた隙間を埋めるための期間が必要になります。

 

一方で、別の歯科医師は非抜歯治療を選択し、歯列を側方や後方に拡大するなどの方法でスペースを作るかもしれません。こちらのケースでは抜歯を避けられますが、歯の動き方は患者それぞれ異なり、アプローチ方法も複数あるため医師の経験・知識などで治療期間が変わってきます。

 

最終的な治療開始の判断は患者に託されるわけですが、まずは信頼できる歯科医師を見つけ、提案された治療方針の根拠やメリット・デメリットについて十分な説明を受けることが重要です。そして、納得の上で治療を始めるようにしましょう。

 

【年齢別】歯科矯正の平均期間

年齢層 矯正期間 備考
小学生 (6〜12歳) 1年~2年程度 顎骨の成長を利用した治療(1期治療)が中心。
中学生 (12〜15歳) 1年~3年程度 顎骨の成長がまだ残っており、歯が動きやすい時期。効率的な治療が期待できる。
高校生 (15〜18歳) 2年~3年程度 顎骨の成長が終盤に近づき、成人に近くなるが、まだ柔軟性がある。
大学生〜成人 (18歳以上) 2年~3年程度 顎骨の成長は完了しているが、骨代謝により歯の移動は可能。若年層よりは時間がかかる傾向にある。

※上記の矯正期間は全体矯正における目安期間であり、保定期間は含まれません。

 

前述のとおり、歯科矯正の期間は年齢によって異なる傾向があります。特に骨の代謝や顎の成長が活発な若年期と、それが落ち着いた成人期とでは歯の動きやすさに違いが見られます。ただし、これらはあくまで平均的な目安であり、歯並びの状態や治療内容によって期間は大きく変動します。

【症例別】歯科矯正の平均期間

不正咬合の種類 矯正期間 備考
上顎前突 (出っ歯) 1年半~3年程度 上の前歯が突出している状態。抜歯の有無や骨格的な要因によって期間が変動する。
下顎前突 (受け口) 1年半~3年半程度 下の歯が上の歯より前に出ている状態。骨格問題が関わることが多く、外科手術が必要な場合は期間が長い。
叢生 (ガタガタ歯) 1年半~3年程度 歯が不規則に重なり合って生えている状態。重症度によって期間が大きく異なる。
空隙歯列弓 (すきっ歯) 1年~2年程度 歯と歯の間に隙間がある状態。噛み合わせに問題がなければ比較的短期間で終わることが多い。
開咬 (前歯が閉じない) 2年~3年程度 奥歯を噛んでも前歯が閉じない状態。治療が複雑で期間が長くなる傾向がある。
過蓋咬合 (深い噛み合わせ) 2年~3年程度 上の前歯が下の前歯に覆っている状態。歯を垂直方向に動かす等、高難易度の治療が必要になることがある。

※上記の矯正期間は全体矯正における目安期間であり、保定期間は含まれません。

 

歯並びの問題(不正咬合)の種類によって、治療の難易度や歯を動かす距離が異なるため、矯正にかかる期間も変わってきます。最終的には歯科医師による症例診断が必要ですが、現時点でもご自身の歯並びがどのタイプに近いかを知ることで、矯正期間のイメージを掴むことができます。

【装置別】歯科矯正の平均期間

装置の種類 矯正期間 備考
ワイヤー矯正 (表側矯正) 1年~3年 最も標準的な方法で幅広い症例に適応可能。歯を効率的に動かすことができる。
ワイヤー矯正 (裏側矯正) 2年~3年 装置が外から見えない利点がある。近年の技術向上により、表側矯正との期間の差は少なくなっている。
マウスピース矯正 1年~3年 透明で目立ちにくく、取り外し可能。患者の協力度(装着時間)が期間に大きく影響する。
ハイブリッド矯正 1年半~2年半 ワイヤー矯正とマウスピース矯正を組み合わせた方法。難症例において、マウスピース単独よりも効率的に治療を進められる場合がある。

※上記の矯正期間は全体矯正における目安期間であり、保定期間は含まれません。

 

矯正治療に用いる装置には様々な種類があり、それぞれに特徴があります。装置の選択は、見た目や生活様式などの観点から選ばれることが主流ですが、治療期間を最優先する場合はご自身の症例に対して、最も効率的かつ確実に治療を進められるものを選ぶことが重要です。

矯正期間を短縮するためのポイント

 

数年にわたる矯正治療は、多くの方にとって大きな負担に感じられるかもしれません。しかし、いくつかのポイントを意識することで、治療を効率的に進め、結果的に期間を短縮できる可能性があります。ここではその具体的な方法についてご紹介します。

 

  • 歯科医師と治療方法を吟味する
  • 矯正装置の装着時間を必ず守る
  • 口腔内と装置を清潔に保つ
  • リテーナーを付け忘れない

 

歯科医師と治療方法を吟味する

治療期間を最適化するための最も重要な第一歩は、信頼できる専門家を選ぶことです。

 

例えば、公益社団法人日本矯正歯科学会などの団体が認定する「認定医」や「指導医」といった資格は、歯科医師が一定以上の知識・技術・経験を持つことを示します。経験豊富な歯科医であれば、的確な診断に基づいて無駄のない治療計画を立案できるため、結果的に治療期間の短縮に繋がります。

 

また初診相談の際には治療期間に関する希望を伝え、様々な選択肢を吟味することも大切です。症例によっては、ワイヤー矯正とマウスピース矯正を組み合わせる「ハイブリッド矯正」や、骨代謝を活性化させる「加速矯正治療(PAOO等)」といった、治療期間の短縮に繋がる先進的な治療法を受けられる可能性もあります。

矯正装置の装着時間を必ず守る

矯正期間を計画通りに進めるために、患者自身が装置の装着時間を遵守することが重要です。特に取り外し可能なマウスピース矯正を選択した場合、患者の自己管理能力が治療期間を大幅に左右します。

 

マウスピース矯正の治療計画は、患者が1日に20時間〜22時間の装置着用を前提にコンピューターでシミュレートされます。ゆえに装着時間が不足すれば歯は計画通りに動かず、次のステップのマウスピースが不適合になる場合もあります。

 

同様に、ワイヤー矯正でも使用される噛み合わせ調整のための「顎間ゴム」も、指示通りに正しく装着しなければ期待した効果が得られず、治療期間の長期化に繋がります。

口腔内と装置を清潔に保つ

矯正期間中の口腔衛生管理は、治療期間を左右する要素でもあります。矯正装置を装着していると歯が磨きにくくなり、どうしても磨き残しが出やすくなります。その結果、虫歯や歯周病(歯肉炎など)のリスクが高まります。

 

もし矯正治療中に虫歯や歯周病が発生した場合、矯正治療を一時的に中断することが多く、虫歯や歯周病の治療を優先しなければならなくなります。

 

したがって、矯正期間中はいつも以上に口腔内衛生を健康に保つように意識し、装置の清掃も徹底するようにしましょう。間接的ではありますが、小さな意識が治療期間の短縮に寄与することもあります。

リテーナーを付け忘れない

矯正期間を終え、装置を取り外した後も慢心はできません。その後には保定期間が控えており、この保定期間を正しく過ごさないと「後戻り」によって再治療が必要になる場合もあります。

 

矯正装置を外した後の歯は、まだ不安定で元の位置に戻ろうとする「後戻り」の力が働いています。これを防ぐのが「リテーナー」と呼ばれる保定装置であり、歯を新しい位置にしっかりと定着させるために一定期間の着用(就寝時のみなど着用時間は様々)が必須となります。

 

ただし、治療疲れからついつい外してしまう。単純に付け忘れてしまう。こういったことが繰り返されると後戻りがどんどん進行してしまいます。現に後戻りを引き起こす最大の原因は「リテーナーの着用不足」であることが、多くの専門家の間で指摘されています。

 

したがって、保定期間を真剣に捉え、定期的なリテーナーの着用を生活習慣の1つとして取り入れるように心掛けましょう。

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※提携先歯科クリニックの診断により、レントゲン等別途費用がかかる場合があります。

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※自由診療となり、保険は適用されません。 ※1日20時間以上、器具を取りつけることで効果を発揮します。 ※マウスピース矯正ローコストに限らず、どの矯正方法においても、歯の動き方や効果の感じ方は個人差があり、満足のいく結果が得られない可能性がございます。