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歯列矯正をやめた方がいい大人とは?年齢別の適性と後悔しうるリスク

25.09.03

 

大人の歯列矯正が当たり前になった昨今ですが、ネット上には「やめた方がいい」という声も散見されます。しかし、一体どのような人がやめた方がいいのか?自分はどうなのか?少なくとも、その判断は個人の感想や曖昧な情報ではなく、医学的・科学的な根拠に基づいた情報から考えるべきです。

 

この記事では歯列矯正を検討中の方に向け、「歯列矯正をやめた方がいい大人の具体例」や「歯列矯正の年齢別適性」、「歯列矯正によって後悔しうるリスク」を各研究から得られた情報を元に分かりやすく解説します。

歯列矯正をやめた方がいい大人とは?

 

結論から言うと、年齢そのものは矯正の可否を決める要因ではありません。ただし、加齢に伴って治療難度が上がり、一定のリスクを伴う側面があります。

 

具体的には年齢が上がるほど歯や歯茎の回復力は低下し、歯周病や糖尿病等の持病の影響を受けるケースも多く、適応には厳密な評価を必要とします。矯正は健康な歯周組織と適切な管理を前提に成り立つ医療であり、年齢が高いほど「弱い力で、長めの期間で、歯周管理を徹底する」という条件が欠かせません。

 

したがって、年齢を理由に門前払いされることはないものの、年齢ゆえの治療ハードルの高さとリスクを踏まえた上で、矯正に進むか見送るかを考える必要があります。

 

参考:How Old Is Too Old For Braces? Rediscover Your Smile At Any Age

歯列矯正の年齢別適性

矯正治療は幅広い年齢で行われていますが、前述のとおり年齢ごとにリスクの度合いが異なります。ここでは混合歯列期から高齢期まで、年代別に矯正の適性と留意点を見てみましょう。

 

  • 混合歯列期(8~12歳):最適
  • 永久歯列完成期(13~18歳):最適
  • 若年成人(19~29歳):適性高/低リスク
  • 成人中期(30~44歳):中リスク
  • 中高年期(45~64歳):高リスク寄り
  • 高齢期(65歳以上):高リスク

 

混合歯列期(8~12歳):最適

 

混合歯列期(8〜12歳)は、乳歯と永久歯が混在し、顎骨の成長が活発な段階です。

 

歯の移動がスムーズであることに加え、顎の成長をコントロールして骨格的な問題(上顎前突や下顎前突等)を根本的に改善できる場合があります。

 

将来的な抜歯のリスクを低減させたり、より安定した治療結果を得たりするための土台作りができるため、子供の矯正治療が多い理由にはこれらが該当します。

 

永久歯列完成期(13~18歳):最適

 

永久歯列完成期(13〜18歳)は、永久歯が生え揃い、かつ顎の成長もまだ続いているため、歯列矯正においては非常に適した時期です。

 

細胞の代謝が活発で歯の移動に対する組織の反応が良好であり、骨もまだ柔軟性があるため効率的に歯を動かすことが可能です。治療期間に関しても、比較的短期間で安定した結果が期待できます。

 

若年成人(19~29歳):適性高/低リスク

 

若年成人(19〜29歳)は顎骨の成長が完了しているものの、骨代謝や細胞の活動性は依然として高く、歯周組織も健康で弾力性に富んでいることが多い年代です。

 

そのため、歯の移動は比較的スムーズに進み、重篤な合併症のリスクは低いと言えます。適切な口腔衛生管理を維持できれば、多くの症例で良好な治療結果が期待できます。

 

成人中期(30~44歳):中リスク

 

成人中期(30〜44歳)になると、骨の移動速度や歯周組織の再生能力が徐々に低下し始めます。

 

また、歯周病や歯肉退縮といった既存の問題を抱えている割合も増加するため、治療開始前にこれらの問題があるかどうか掌握した上での治療が絶対条件となります。もちろん矯正治療自体は可能ですが、歯周組織への負担を考慮した慎重な計画と、治療中の厳格な管理が不可欠になります。

 

中高年期(45~64歳):高リスク寄り

 

中高年期(45〜64歳)になれば、骨代謝がさらに低下し、歯の移動速度が遅くなる傾向にあります。

 

特に加齢による歯周組織の老化で歯根膜に含まれる幹細胞の数や機能が低下しており、組織の再生能力が著しく落ちます。そして、矯正治療によって歯肉退縮や歯根吸収が進行するケースもあります。

 

噛み合わせ改善等の機能改善を目的する治療の場合は別として、見た目改善を目的とする治療の場合はリスクとリターンをよく考えて矯正治療に臨む必要があります。

 

高齢期(65歳以上):高リスク

 

高齢期(65歳以上)の矯正治療には、多くのリスクが存在します。

 

最大の懸念は、歯を支える歯周組織の弱体化です。加齢により歯根膜の血管系は萎縮傾向を示し、骨の再生能力も著しく低下しています。依然として歯の移動は可能ですが、組織に負担をかけないよう極めて弱い力で、時間をかけて慎重に進める必要があります。

 

歯根吸収のリスクも成人期以降は高まる傾向にあると複数の論文で報告されており、特に高齢期ではそのリスクを十分に考慮しなければなりません。そして治療は審美改善ではなく、特定の歯の傾きを治して義歯やブリッジを入れやすくするなど、機能改善に限定して適応されることが一般的です。

大人が歯列矯正で後悔しうるリスク

 

大人の歯列矯正は多くの恩恵をもたらす一方で、子供の矯正とは異なる特有のリスクが存在します。これらのリスクを治療開始前に十分に理解していないと、「こんなはずではなかった」という後悔に繋がる可能性があります。ここではその代表的なリスクを解説していきます。

 

  • 歯周病・虫歯の悪化
  • 歯肉退縮の進行
  • ブラックトライアングルの出現
  • ホワイトスポットの出現
  • 治療期間の長期化
  • 理想とする見た目との乖離

 

歯周病・虫歯の悪化

矯正治療中は歯周病や虫歯が悪化しやすいことが知られています。

 

特にワイヤー矯正の場合、ブラケットやワイヤーが歯に固定されるため歯磨きが難しくなり、装置の周囲に食べかすやプラーク(歯垢)が溜まりやすくなります。ゆえにしっかり口腔内のケアをしないと虫歯や歯周病のリスクが高まります。

 

歯周病については初期段階では自覚症状が出にくく、年齢とともに発症率が上がるため特に注意が必要です。もし歯石や炎症があるままで矯正を開始すれば、歯周病が一気に悪化してしまう恐れがあります。

 

矯正中に歯周病が進行した場合は歯茎がさらに下がり、同時に歯が抜けるリスクも高まるため、結果として歯の寿命にも関わる重大なデメリットに繋がっていきます。

 

歯肉退縮の進行

歯肉退縮とは歯茎が下がって歯根が露出する現象で、矯正治療をきっかけに進行することがあります。

 

その原因の1つは強すぎる矯正力です。歯に過度な力をかけると歯槽骨が圧迫されて吸収を起こし、歯肉退縮が進行する可能性が高まります。そして矯正で大きく歯肉退縮が進んでしまうと、露出した歯の根が知覚過敏で沁みる原因になったり、見た目上のコンプレックスに繋がることもあります。

 

特に大人の場合、元々加齢である程度歯茎が下がっていることも多く、矯正でさらにそれが強調されると「治療して若返るつもりが、かえって老けた印象になった」と感じるケースも考えられます。ゆえに健康診断などで既に「歯茎が下がっている」と指摘されている場合は慎重な矯正治療が必要になります。

 

ブラックトライアングルの出現

ブラックトライアングルとは、歯と歯の間に三角形の隙間ができて黒く見える現象です。矯正治療後に、このブラックトライアングルが現れることがあります。

 

これは矯正治療によって歯間乳頭(歯茎)が失われることが原因であり、特に歯周病で骨が減っていたり歯茎が薄い人で起こりやすいとされます。統計的にも矯正後にこの現象が現れる患者は決して少なくありません。

 

ブラックトライアングルは見た目の問題だけでなく、その隙間に物が挟まりやすいという機能面でも問題が生じます。いずれにしてもブラックトライアングルの出現率は個人差があり、人によってはそのリスクを承知した上で歯列矯正に臨む必要があります。

 

参考:Incidence of Gingival Black Triangles following Treatment with Fixed Orthodontic Appliance: A Systematic Review - PMC

 

ホワイトスポットの出現

ホワイトスポットとは歯の表面にできる白濁した斑点で、初期の虫歯(脱灰)によるものです。

 

特にワイヤー矯正においてホワイトスポットが現れる患者が比較的多い傾向にあり、その原因には前述の口腔内ケアの難しさが関係しています。

 

ワイヤー矯正は装置により歯磨きが難しくなり、プラークが残った部分のエナメル質がミネラルを失うと白く濁り、ホワイトスポットとして現れます。ある研究では矯正患者の約45%に新たなホワイトスポットが生じたとの報告があるとおり、ホワイトスポットは決して珍しい合併症ではなく、特に装着期間が長いほど注意が必要になります。

 

参考:Critical evaluation of incidence and prevalence of white spot lesions during fixed orthodontic appliance treatment: A meta-analysis

 

治療期間の長期化

大人の矯正は年齢に応じて、治療期間が長くなる傾向にあります。

 

理由は前述のとおり、骨の新陳代謝の低下で歯の移動速度が遅く、なおかつ歯肉退縮のリスクを低減させるために弱い力で長期間の矯正を行う必要があるためです。一般に子供なら2年前後と言われますが、20代では2〜3年、30代で開始すると3年以上、40〜50代では4年以上になることもあります。

 

当然ながら、治療が長引けば通院回数が増え費用もかさむことになります。さらに矯正前に虫歯や歯周病の治療を済ませたり、被せ物を作り直したりといった前後処置が必要な場合もあり、トータルの期間・費用が想定以上に膨らむことがあります。

 

理想とする見た目との乖離

矯正治療の主目的は歯並び・噛み合わせの改善ですが、見た目(顔つき)の変化も伴います。その変化が理想していたものと違う場合、「歯列矯正でブサイクになった」と後悔する方も一定数います。

 

例えば、矯正後に口元のボリュームが減って顔が面長に見えたり、頬がこけて老けて見えると感じるケースがあります。また歯を抜いて歯列全体を奥に下げる治療では口唇の支えが減り、ほうれい線が深くなることもあります。

 

もちろん経験豊富な医師であれば、事前のシミュレーションで老けた印象にならないよう配慮した治療計画を立てますが、そうした配慮が不足していた場合は上記のような問題が生じることもあります。

 

歯列矯正をすべきかやめるべきかの判断基準

 

これまでの内容を踏まえ、大人でも歯列矯正をすべきかどうかの判断基準は、以下の3つに集約されます。

 

  1. 健康的な歯の土台があるか
  2. 審美的なリスクを理解しているか
  3. 治療に協力する意志があるか

 

第一に「健康的な歯の土台があるか」です。治療開始前に医師の診査で虫歯や歯周病がないこと、特に歯周組織が安定して健康な状態であることが確認されている必要があります。これは歯列矯正を行う上での前提条件です。

 

第二に「審美的なリスクを理解しているか」です。大人の矯正には限界があり、特に顔貌の変化には個人差があります。治療によって得られるメリットもあれば、歯肉退縮やブラックトライアングル、見た目の変化といった潜在的なリスクもあります。それぞれを天秤にかけ、治療に臨むか判断しましょう。

 

第三に「治療に協力する意志があるか」です。年齢次第では治療が長期化する可能性があり、その間の徹底した自己管理と定期的な通院は不可欠です。時間的・経済的・精神的な負担を含め、最後までやり遂げる意思があるかどうかが問われます。

 

これらの基準をしっかりと考え、担当の歯科医師と相談した上で総合的に判断するようにしましょう。そして「弱い力で、長めの期間で、歯周管理を徹底する」必要があるような場合は、治療方法にも目を向けることをおすすめします。

 

中でもマウスピース矯正は痛みが少なく、無色透明で装置が目立たないという利点を持っています。長期間の着用という意味でも相性が良く、ぜひ医師との相談の際に併せて話を聞いてみてください。

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※検診後、マウスピース矯正ローコストを始めない場合は追加で費用は発生いたしません。
※提携先歯科クリニックの診断により、レントゲン等別途費用がかかる場合があります。

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※自由診療となり、保険は適用されません。 ※1日20時間以上、器具を取りつけることで効果を発揮します。 ※マウスピース矯正ローコストに限らず、どの矯正方法においても、歯の動き方や効果の感じ方は個人差があり、満足のいく結果が得られない可能性がございます。