ワイヤー矯正を考え始めた際、多くの方が最も気になるのが「値段」ではないでしょうか?
ワイヤー矯正の費用は、治療範囲・治療方法・装置の種類、年齢など様々な要因で変わるため、複雑に感じられているのが実情です。
そこで、この記事ではワイヤー矯正の平均的な値段をはじめ、健康保険が使えるケース、年齢別・治療法別・装置別の費用相場の違い、そして治療費を抑えるための方法まで、初心者の方にも分かりやすく解説していきたいと思います。

25.10.03
ワイヤー矯正を考え始めた際、多くの方が最も気になるのが「値段」ではないでしょうか?
ワイヤー矯正の費用は、治療範囲・治療方法・装置の種類、年齢など様々な要因で変わるため、複雑に感じられているのが実情です。
そこで、この記事ではワイヤー矯正の平均的な値段をはじめ、健康保険が使えるケース、年齢別・治療法別・装置別の費用相場の違い、そして治療費を抑えるための方法まで、初心者の方にも分かりやすく解説していきたいと思います。
目次
ワイヤー矯正は、歯に装着したブラケットにワイヤーを通して矯正する最も有名な治療方法です。精密なコントロールが可能であり、重度の歯並びまで幅広く対応できる適用範囲の広さが最大のメリット。一方で装置が目立つ点、痛みが大きい点、食事や歯磨きがしにくい点がデメリットとして挙げられます。
そんなワイヤー矯正の総額費用は、80万〜120万円が平均的な相場です。
これは初診相談から治療後の保定期間までを含んだ目安ですが、実際には治療範囲によって費用は大きく変動します。例えば、前歯などの部分矯正では30万円程度から可能な一方、全体の歯並びを根本から治す全体矯正では170万円に及ぶこともあります。
見た目の改善を目的とした一般的なワイヤー矯正の場合、公的医療保険は適用されません。
しかし、例外的に保険が適用されるケースもあり、具体的には厚生労働大臣が定める先天性の疾患(唇顎口蓋裂など66疾患)に起因する咬合異常、顎の骨格的な問題で外科手術が必要な顎変形症、そして永久歯が3本以上生えてこない萌出不全かつ外科処置を伴うケースの3つです。
これらの治療を受けるには、地方厚生局に届け出た指定医療機関で診療を受ける必要があります。ほとんどの人はこれらの条件に当てはまらないため、矯正費用は自己負担(自由診療)となるのが実情です。
参考:矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは | 公益社団法人 日本矯正歯科学会
ワイヤー矯正の費用は分割払いが可能で、月々の負担を抑えることができます。支払い方法としては、主に3種類あります。
1つ目は、歯科治療専門の「デンタルローン」です。金利が比較的低く(年利2.5%〜8.8%程度)、返済期間を長く設定できるため、月々の支払額を数千円程度に抑えることも可能です。
2つ目は、「クレジットカード払い」です。一括払いであれば手数料はかかりませんが、分割払いやリボ払いを選択すると、カード会社所定の手数料が発生します。この手数料率が、デンタルローンよりも高くなる傾向があるため注意が必要です。
3つ目は「院内分割」で、クリニックが独自に提供する支払い方法です。多くの場合、金利や手数料がかからない点が最大のメリットですが、治療期間内に支払いを終える必要があり、月々の支払額は比較的高くなることがあります。
年齢が上がるにつれて治療期間が長くなり、費用が相対的に高くなる傾向があります。
矯正治療は、歯に力を加えて周囲の骨を溶かし(骨吸収)、新しく再生させる(骨造成)という「骨代謝」のメカニズムを利用して歯を移動させます。加齢とともにこの骨代謝のスピードが緩やかになるため、同じ距離を歯が移動するのにより多くの時間が必要となります。
そして、治療期間が延びるとその分通院回数や調整料が増えるため、総額費用も増加する傾向にあります。なお、子供の頃に始めた方が大人になってから始めるよりも治療がスムーズに進みやすいと言われている理由がこれに当たります。
子供・小学生の矯正は一期治療・二期治療に分かれることが多く、段階的に費用がかかります。
乳歯と永久歯が混在する時期に行う「第1期治療」では、相場は約20万〜50万円程度です。この段階では顎の成長をコントロールして正しい歯列の土台づくりを行い、短期間かつ低コストで治療が完了するケースもあります。
その後、永久歯が生え揃ってから必要に応じて「第2期治療(本格矯正)」に移行し、追加で約40万〜60万円ほどかかるのが一般的です。幼少期から治療を開始すると総費用を抑えられる可能性が高く、顎の骨が柔軟なうちに矯正することで後の治療期間短縮にも繋がります。
中学生・高校生の矯正費用は、永久歯が揃った状態から開始する全体矯正が中心となります。
前述のとおり、第1期治療から第2期治療に移行する場合は、追加費用40万〜60万円程度。第1期治療を受けていない場合は、約80万〜120万円が相場です。
中高生は成長期の終盤で歯の移動も比較的スムーズなため、成人より若干治療期間が短くなることもあり、費用も抑えられる傾向にあります。ただし、この年代は思春期や学校生活の兼ね合いもあることから、装置の見た目などにも考慮することが大切です。
大学生・大人の矯正費用は中高生と同程度で、相場は80万〜120万円前後とされています。
成人は顎の成長が完了しているため、同じ症例でも治療期間がやや長引く傾向があり、通院回数や調整料の総額が増える場合があります。その結果、処置別・都度払いのクリニックでは総額費用が高くなることもあるので注意が必要です。
また成人の場合、虫歯治療や歯周病ケアなど矯正前後の治療が必要になるケースもあり、それらの費用も見込んでおく必要があります。いずれにしても年齢を理由に諦める必要はありませんが、計画と予算にゆとりを持って治療を始めることが重要です。
治療方法 |
費用相場 |
メリット |
デメリット |
表側矯正 |
60万~130万円 |
費用が安い |
装置が目立つ |
裏側矯正 |
100万~170万円 |
装置が外から見えない |
費用が高額、発音への影響や舌の違和感が出やすい |
ハーフリンガル矯正 |
80万~150万円 |
費用と見た目の両立が可能 |
表側矯正よりは高額 |
※全体矯正の場合
ワイヤー矯正の治療方法は、主に「表側矯正」「裏側矯正」「ハーフリンガル矯正」の3種類があり、それぞれ費用・メリット・デメリットが異なります。ここでは、それぞれの治療方法について詳しく解説していきます。
表側矯正は、歯の表面にブラケットとワイヤーを装着する一般的な治療方法です。
費用相場は部分矯正で30〜60万円、全体矯正で60〜130万円程度と、ワイヤー矯正の中では比較的安価に抑えられます。
装置が非常に目立つため見た目上のデメリットがありますが、その分装置の取り扱いも容易で対応しているクリニック数も多く、適用範囲の広さも特徴です。
なお、表側矯正でも装置の種類(後述)によって費用が変わり、例えば目立ちにくいセラミック製のブラケットを選ぶと追加費用が発生しますが、幾分見た目は改善されます。
裏側矯正(舌側矯正)はブラケットとワイヤーを歯の裏面に装着する方法で、正面から装置がほとんど見えないのが特徴です。
費用相場は部分矯正で40〜70万円、全体矯正で100〜170万円程度。審美性が高い反面、特注品の装置を作る必要があったり、調整難易度の高さから費用は高額になります。
特に全体矯正では治療期間が長く、通院頻度も高くなる傾向にあるため、症例によって費用幅が大きくなる可能性があります。人に気付かれず矯正したい方には有力な選択肢ですが、予算との兼ね合いを踏まえ、無理のない選択をするようにしましょう。
ハーフリンガル矯正は、上の歯を裏側矯正で、下の歯を表側矯正で行う治療方法です。
費用相場は全体矯正で80〜150万円程度で、笑った時に見えやすい上の歯を裏側矯正にすることで見た目の問題をカバーしつつ、下の歯は通常の表側装置にすることで費用を抑える狙いがあります。
なお、上下で異なる技術が必要になるため、対応できる歯科医院が限られる点には注意が必要です。とはいえ、費用と見た目のバランスを重視したい方にはハーフリンガル矯正が適しています。
ワイヤー矯正の費用は、歯に装着する「ブラケット」という装置の素材によっても変わります。一般的な金属製のメタルブラケットが最も安価で、審美性の高い装置ほど費用も上昇する傾向にあります。
ここでは下記、装置毎の費用相場を解説していきます。
メタルブラケットは最も一般的で費用が安く、費用相場は30万〜80万円程度で、ワイヤー矯正の基本料金に含まれていることもあります。
金属製ゆえに耐久性が非常に高く、治療中に破損するリスクが低いのが大きなメリットです。一方で、銀色の金属が悪目立ちしてしまうため、見た目を気にする人にとっては大きなデメリットとなります。
したがって、矯正治療の機能性を最優先し、なおかつ費用をできるだけ抑えたい人にとって最適な選択肢と言えます。
クリアブラケットは、透明なプラスチックで作られており、メタルブラケットよりも目立ちにくいのが特徴です。費用相場は、60万〜90万円程度です。
歯の色に馴染むため審美性が高いものの、金属製に比べて強度が低いため破損リスクがやや高い点や、カレー・コーヒー・ワインといった色の濃い飲食物で変色しやすい点がデメリットとして挙げられます。
費用と見た目のバランスを考慮する方に選ばれる傾向にありますが、普段の食生活を踏まえた上での選択が重要になります。
セラミックブラケットは、歯の色に近い白色のセラミック素材でできており、非常に目立ちにくいのが特徴。費用相場は60万〜100万円程度が一般的です。
セラミックは着色や変色に強く、治療期間中もきれいな見た目を保ちやすいメリットがあります 。ただし、こちらも金属製と比較すると強度がやや劣り、強い衝撃で破損する可能性はあります。
とはいえ、クリアブラケットの上位互換として、費用と見た目の両立を重視したい人に適した選択肢です。
ハイブリッドブラケットは、プラスチックとセラミックを混ぜ合わせた素材で作られており、両者の利点を兼ね備えています。費用相場は35万〜90万円程度です。
このブラケットは歯の色に近い白色で目立ちにくく、純粋なプラスチック製のものよりも強度が高いのが特徴です。セラミックブラケットよりは費用を抑えつつ、プラスチックブラケットよりは耐久性と審美性を向上させたい、というニーズに応えるバランスの取れた選択肢と言えます。
ただし、耐久性の面ではメタルブラケットやセラミックブラケットには及ばない場合もあります。
ジルコニアブラケットは、見た目と強度を両立させた高性能な素材です。費用相場は60万〜100万円程度と、セラミックブラケットと同等の価格帯になります 。
ジルコニアは人工ダイヤモンドとしても知られる非常に硬いセラミックの一種で、メタルブラケットに匹敵するほどの高い耐久性を持ちながら、歯に近い自然な白色で目立ちにくいという特徴があります。
審美性を損なうことなく、治療中の装置の破損リスクを最小限に抑えたいと考える方に最適な選択肢ですが、その分費用は高額になる傾向にあります。
月々3,000円〜
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ワイヤー矯正の費用は装置料だけでなく、治療の各段階で発生します。主に、治療開始前の「カウンセリング・検査料」、治療中の「矯正装置料」と「調整料」、そして治療後の「保定装置料」と「観察料」に分けられます。
治療を始める前の段階で、カウンセリング料と精密検査・診断料が発生します。
初回のカウンセリングは無料のクリニックもありますが、有料の場合は5,000円程度が相場です。ここでご自身の歯並びの状態を踏まえて、治療に関する相談を行います。
次に正確な治療計画を立てるためのレントゲン撮影や歯の型取りなど、本格的な精密検査が行われます。この費用はクリニックによって差がありますが、一般的に4万〜7万円程度が目安です。
治療に用いる矯正装置料は、総額費用の大部分を占める費用となります。前述のとおり、治療範囲・治療方法・装置の種類によって大きく異なり、30万〜170万円と非常に幅広いです。
そして、治療中は月1〜2回の定期通院があり、そこで装置の調整料がかかります。調整料は1回あたり3,000円〜1万円が相場で、治療期間が2年〜3年に及ぶ場合、調整料の総額は10万円〜20万円以上になることもあります。
ただし、クリニックによっては、最初に提示される総額にこの調整料が含まれている「トータルフィー制度」を採用している場合もありますので、契約前に支払い体系を必ず確認することが重要です。
保定装置料・観察料は、ワイヤー装置を外した後の「後戻り」を防ぐために必要な費用です。
矯正治療で動かした歯は、何もしないと元の位置に戻ろうとします。これを防ぐために「リテーナー」と呼ばれる保定装置を装着する必要があり、このリテーナーの装置代に1万〜6万円程度かかります。
また保定期間中(通常1年〜3年)も数ヶ月に1回のペースで通院し、経過観察を行います。この際の観察料が1回あたり3,000円〜5,000円程度が必要になります。
高額になりがちなワイヤー矯正の費用負担を軽減するには、下記のような方法があります。
デンタルローンとは、医療目的のローンで信販会社や銀行が治療費を立て替え、患者が分割返済する仕組みです。審査はありますが、一般的なローンやカード分割より低金利の場合が多く、無理のない月額で支払いが可能になるのが利点です。
例えば、総額60万円を60回払いにすれば月1万円+利息に抑えられるなど、手持ちが少なくても治療を諦めずに済むでしょう。クリニックによって提携先のローン会社を紹介してもらえることもあるため、まとまった金額を用意することが難しい場合は相談してみるのも良いでしょう。
医療費控除とは、その年に支払った医療費の一定額を所得から控除し、税金を軽減できる制度です。支払った医療費の一部を税金の還付という形で取り戻せるため、実質的な費用負担軽減になります。
美容目的の矯正は対象外ですが、噛み合わせが悪く咀嚼機能に問題があるなど、医師が機能改善のために必要と判断した矯正治療は医療費控除の対象となります。
具体的には、年間の医療費が10万円を超えた場合に確定申告を行うことで、所得税の一部が還付されます。なお、デンタルローンで支払った場合も、ローン契約が成立した年の治療費が控除対象となります(金利・手数料は除く)。
症例によっては、マウスピース矯正への変更が有効な選択肢になる場合もあります。
マウスピース矯正は透明なマウスピースを段階的に交換して歯を動かす治療方法です。費用が比較的抑えやすい傾向があり、相場は部分矯正で10万〜60万円、全体矯正で60万〜100万円程度とされています。
装置自体の金額に大きな差はないものの、ワイヤー矯正のように月々の調整が不要なため通院回数が少なく、長期間の矯正治療においては総額費用が抑えられる場合があります。
もちろん症例によって治療に最適な装置は異なるため、費用面だけでマウスピース矯正を選択するのはおすすめできません。いずれにせよ、まずは歯科医に相談し、マウスピース矯正も選択肢のうちに入るのであれば検討の余地は十分にあります。
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