
歯列矯正の費用を分割で支払う方法は、主に以下の3つがあります。
- デンタルローン:歯科医院が提携する信販会社等のローンを利用する方法
- クレジットカードの分割払い:カード会社に分割払いで支払う方法
- 医院独自の分割払い:歯科医院が独自に提供する分割払い制度を利用する方法
①デンタルローン
デンタルローンは、信販会社や銀行が提供する「歯科治療費専用のローン」のことです。
最大の特徴は、一般的なカードローンやクレカ分割払いに比べて、金利が低く設定されている点です。実質年率は金融機関や審査結果によりますが、2.5%〜8.0%程度が相場です。また支払回数を60回(5年)や84回(7年)など長期設定できるため、月々の支払い額を数千円〜1万円台に抑えることが可能です。
利用条件としては、18歳以上で安定した収入があることが求められます。学生が利用する場合は、アルバイト収入があっても親権者の連帯保証人を求められるか、あるいは親権者が代理で契約者となるケースが一般的です。
審査基準はクレジットカード作成時と同等かそれ以上に厳格ですが、手数料を抑えたい学生にとっては最も検討すべき選択肢になります。
②クレジットカードの分割払い
クレジットカードの分割払いは、普段使用しているクレカの分割払い機能を使って、矯正費用を支払う方法です。
最大のメリットは、新たな申し込み手続きや審査が不要で手軽に利用できることです。また、カード会社にはそれぞれ特典があり、Amazonカードや楽天カードであれば、各ECサイト等で使えるポイントとして治療費の一部が還元されるという利点もあります。
一方、デメリットとして金利手数料の高さが挙げられます。3回以上の分割払いを選択した場合、実質年率は12.0%〜15.0%程度かかるのが一般的で、これはデンタルローンの2倍から3倍以上の利率です。
また、学生のクレジットカード利用限度額は通常10万円〜30万円程度と低く設定されているため、矯正費用全額を決済するには一時的な増額申請をするか、複数のカードを併用する手間などが出てきます。
③医院独自の分割払い
医院独自の分割払いはその名のとおり、歯科医院が独自に設定している分割払い制度のことで「院内分割」や「窓口分割」と呼ばれます。
最大のメリットは、多くの医院で「金利手数料無料」としている点。さらにローンやクレカ会社を通さないため、厳格な信用情報機関の審査がなく、学生でも比較的利用しやすいのが特徴です。
一方で、分割回数が少なく設定されているのがデメリットです。治療期間に合わせて支払いを完了させるケースが多く、12回から24回、長くても36回程度が上限となることが一般的です。そのため、一回あたりの支払額はデンタルローンよりも高額になる可能性があります。
なお、院内分割は全ての歯科医院が対応しているわけではなく、導入している医院を探す必要があります。また頭金として、まとまった金額が必要な場合もあるため、事前確認が必須と言えます。