
高校生が歯列矯正を受ける際には、思春期ならではの心理や学校生活ならではの場面を考慮し、以下のポイントについて押さえておくと良いでしょう。
装置の見た目
矯正装置の見た目は、高校生本人にとっては大きなポイントです。
思春期は自分の外見を非常に気にする時期であり、「装置が悪目立ちする」ことがストレスになる恐れがあります。したがって、Z世代からの支持が高いマウスピース矯正を第一候補に考える、あるいは予算に余裕がある方は裏側矯正を検討すると良いでしょう。
表側矯正でも追加費用はかかりますが、歯の色に近いブラケットや逆にカラフルでポップな印象にできたりと見た目への配慮が進んでいます。もし見た目への不安が強い場合は、どの程度目立つ装置なのか事前に写真などをよく見て吟味し、本人と話し合って決めるようにしましょう。
取り扱いのしやすさ
高校生は勉強や部活動で忙しく、矯正装置の取り扱いが煩わしく感じられる場面もあります。
まずワイヤー矯正に関しては、装置が固定されるため取り外しはできません。このため、特にスポーツ面では「サッカーの練習中に転倒して口の中が切れた」「剣道の面をつけるとブラケットが当たって痛い」「ボクシングなどの競技用マウスピースが付けられない」といったことに繋がる恐れがあります。
スポーツ以外に関しても「トランペットやクラリネット等の楽器演奏で、装置が唇や頬の裏に当たって痛い」「滑舌が悪化し、授業中に発言するのが恥ずかしい」「装置が気になって勉強に集中しづらい」といった声もあるようです。
一方、マウスピース矯正ならこれらの問題は概ね解決しますが、マウスピース矯正は1日20時間以上装着しなければ効果が出ない側面があります。ゆえに本人の自己管理が欠かせず、「忘れ癖がひどい」という方は最初から外さずに済むワイヤー矯正の方が向いている場合もあります。
食事制限
矯正期間中は食事にも多少の注意が必要です。高校生は食べ盛りな時期でもあり、好きなものを思い切り食べられないストレスも考慮しなければなりません。
前述のとおり、ワイヤー矯正は固定式ゆえに多くの食事制限が生まれます。煎餅やナッツ、グミ、ガム、キャラメルなど、硬い食べ物や粘着性のある食べ物は装置の破損リスクがある他、スポーツ飲料など砂糖を含む飲料は、装置の隙間に糖分が溜まって虫歯リスクが飛躍的に上がるためNGとされています。
逆に推奨されるものは、お粥やスープ、麺類、煮込み野菜などです。これらは栄養も摂りつつ歯への負担が少ない食べ物です。特に保護者の方は「矯正中で食べられないから…」と食事内容が偏らないよう、噛みやすい代替メニューを用意するなど、食育面での配慮も考えるようにすると良いでしょう。
一方、マウスピース矯正は食事の際に取り外しが可能なため、基本的に食事制限はありません。ただし、食後の歯磨きと装置の洗浄が必須事項となります。
マウスピース矯正は構造上、着用中は唾液の自浄作用が効かなくなります。ゆえに装置内に食べかすが残ったままだと虫歯の温床になりやすく、もし虫歯になれば矯正を中断して、虫歯治療を優先しなければならなくなります。
以上のように、矯正中は多少の食事制限が伴います。とはいえ「全く何も食べられない」ということではありませんし、工夫次第で好きなものを楽しむこともできます。最近はインターネット上に「矯正中でもおいしく食べられるレシピ」などの情報も豊富ですので、必要に応じて調べてみると良いでしょう。