
失敗・後悔しない歯科矯正の選び方は、次のとおりです。
- ①矯正歯科であるか
- ②認定医が在籍しているか
- ③各治療に対する専門医がいるか
- ④歯列矯正の実績が豊富にあるか
- ⑤顎変形症に対応しているか
- ⑥ワイヤー矯正とマウスピース矯正の両方に対応しているか
- ⑦医療設備が充実しているか
- ⑧無理のない治療費であるか
- ⑨医院の立地や診療時間に問題がないか
- ⑩セカンドオピニオンに対応しているか
①矯正歯科であるか
まず重要なのが、矯正歯科であるかという点です。
歯医者にもそれぞれ専門分野があり、虫歯や歯周病などの治療を中心に行う「一般歯科」、虫歯や歯周病にならないために対策する「予防歯科」、美容目的のホワイトニングやセラミック矯正などを取り扱う「審美歯科」、そして歯列矯正を専門的に扱う「矯正歯科」と様々あります。
言うまでもなく、歯列矯正を目的とするのであれば「矯正歯科」での治療がおすすめ。特に矯正歯科には後述の認定医が在籍していることも多いため、まずは矯正歯科に該当する歯医者であるかしっかり確認して探すのがポイントです。
②認定医が在籍しているか
次に重要なのが、日本矯正歯科学会の認定医や、インビザライン等の各ブランドが定める認定医が在籍している医院であるかという点です。
一般的に「裏側矯正で治したい」「マウスピース矯正で治したい」など、治療方法を軸に医院選びをされる方が多いですが、仕上がりや治療結果を左右するのは「担当医の知識・技術・経験」と言っても過言ではありません。
それを踏まえておすすめなのが、日本矯正歯科学会の認定医が在籍する矯正歯科です。
日本矯正歯科学会の認定医を取得するためには、学会が指定する大学病院などで5年以上の臨床研修を修了する必要があり、さらに多数の症例経験を積み、審査試験にも合格しなければなりません。歯科医師全体でも取得者が一部に限られますが、安心して治療を受けることができます。
ただし、お住まいの地域によっては「近所の歯医者に日本矯正歯科学会の認定医がいない」というケースもゼロではありません。こういった場合は「隣駅に認定医が在籍する矯正歯科がないか」といった具合に検索範囲を広げると良いでしょう。
③各治療に対する専門医がいるか
矯正の専門医がいることはもちろん、口腔外科など特定の分野に特化した専門医が在籍、あるいは密接に連携している医院を選ぶことも重要なポイントです。
歯列矯正では、歯をきれいに並べるためのスペース確保を目的に、「便宜抜歯」と呼ばれる処置を行うケースがあります。歯を抜く以上、一定の痛みを伴うことはもちろん、埋没している親知らずを抜歯するような場合は特に高い口腔外科の技術を要します。
こういった抜歯の処置を矯正の担当医とは別に、日本口腔外科学会の専門医が担当するような医院もあり、手術時間の短縮や術後の痛み・腫れといった、身体的な負担の軽減に期待できます。
抜歯不要の症例であれば、そこまでこだわる必要はありませんが、中等度以上の症例で「抜歯が必要」と診断された場合は、複数の専門医がチームとして機能している医院を意識して探すと良いでしょう。
④歯列矯正の実績が豊富にあるか
実際に歯列矯正の実績がしっかりある医院であるかも重要なチェックポイントです。
この際、特に重要なのが「自分と同じような症例の治療実績がないか確認すること」です。医院に症例が掲載されている場合は自分と似たケースをまず探し、そのケースではどんな治療方法で、どれくらいの費用と期間で治療できたのか確認すると、治療イメージがつきやすくなります。
ただし、症例を公開していない医院も多いため、こういった場合はカウンセリング時に直接聞くようにしましょう。
⑤顎変形症に対応しているか
顎変形症が疑われる場合は一般的な矯正歯科ではなく、厚生労働省が定める「顎口腔機能診断施設」の指定を受けた医院を探す必要があります。
顎変形症は、外科手術を伴う矯正治療が必要であり、厚生労働省が指定する特定の医院で、矯正→手術→矯正の流れで治療を受けるのが一般的な流れとなります。矯正歯科と口腔外科(大学病院など)が連携して治療を進める必要があるため、全ての歯科医院で対応できるわけではない点に注意してください。
なお、対応する医院の見つけ方は、「地域名 顎変形症 矯正歯科」とネット検索するか、あるいは各地方厚生局の施設基準届出受理医療機関名簿を開き、「顎診」と記載された医療機関を探しましょう。
⑥ワイヤー矯正とマウスピース矯正の両方に対応しているか
希望の治療方法がある場合でも、ワイヤー矯正とマウスピース矯正の両方に対応している医院がおすすめです。
近年はマウスピース矯正が圧倒的な人気を集めていますが、歯を大きく平行移動させたり、回転を加えるような動きを不得意としています。ゆえに症例によってはマウスピース矯正よりも、ワイヤー矯正が推奨されるようなケースもゼロではありません。
またマウスピース矯正が適応されるケースでも、「特定の歯が動かない」といった場合は適宜リカバリーが必要となり、一部にワイヤー矯正を施して修正することもあります。
言うまでもなく、マウスピース矯正しか提供していない医院では、こういったリカバリーの方法が制限されるだけでなく、場合によっては適応範囲を超えた症例でもマウスピースを勧められる恐れもあります。
「マウスピース矯正で治したい」といった治療方法メインで考えてしまう気持ちもわかりますが、選択肢は捨てずに、医師の診断を元に適した治療方法を選ぶことが大切です。
⑦医療設備が充実しているか
歯列矯正に必要な医療設備が充実している医院を選ぶことも重要です。
代表的な医療設備には、歯や顎全体の状態を確認するレントゲン、顎の骨格や口元のバランスを調べるセファログラム、歯並びを立体的に読み取る口腔内スキャナー、歯根や顎の骨を詳しく確認する歯科用CTなどがあります。
医院の公式サイトを確認する際、併せて「設備紹介」や「院内紹介」をチェックして、セファログラム、口腔内スキャナー、歯科用CTなどが掲載されているかを見てみましょう。
医療設備の充実度が治療の質そのものを保証するわけではありませんが、精密検査の精度が上がることで正確な治療計画の策定に期待できます。
⑧無理のない治療費であるか
歯列矯正は原則自由診療であり、長期治療になることも多いため、ご自身の予算内で無理なく治療を進められるか冷静に判断しましょう。
なお、歯科医院の料金体系には、大きく分けて「トータルフィー制(総額制)」と「処置別払い制(都度払い制)」の2つがあります。
トータルフィー制は、事前の精密検査料から治療後のリテーナー代などを含め、治療費の全てが最初に提示される総額制の料金体系です。治療期間が長引いた場合でも追加費用は基本的に発生せず、費用の見通しが立てやすいのがメリットです。
一方、処置別払い制は、数千円~数万円程度の処置料をその都度支払う料金体系です。初期費用を低く抑えやすい利点がある反面、通院回数が増えると総額が膨らむ側面があります。
どちらが良いかは一概に言えませんが、一般的に長期治療であるほどトータルフィー制、短期治療であるほど処置別払いの方がお得と言われています。
⑨医院の立地や診療時間に問題がないか
自宅や職場から無理なく通え、仕事や学校と診療時間が合う医院を選びましょう。
歯列矯正は、歯を動かすための「動的治療」に加え、動かした歯を定着させるための「保定期間」の2フェーズで治療が行われます。ゆえに数年間にわたる治療となることが一般的です。
動的治療中の通院頻度は、ワイヤー矯正の場合でおよそ1ヶ月に1回、マウスピース矯正の場合で1~3ヶ月に1回。保定期間は3ヶ月、半年、1年に1回と徐々に間隔が開いていくのが通例です。
いずれの治療方法を選択するにしても、長期間にわたる通院が必要になるため、仕事帰りに立ち寄れる駅直結の立地であるか、あるいは休日に確実に予約が取れる診療体制であるかを事前に確認しておきましょう。
⑩セカンドオピニオンに対応しているか
診断結果に納得できない場合、セカンドオピニオンに快く対応してくれる医院であるかも確認しましょう。
セカンドオピニオンは、現在の担当医のもとで治療を続けることを前提に、別の医師から治療方針に関する意見・アドバイスを聞くものです。
他院でセカンドオピニオンを受ける際は、担当医に紹介状、レントゲン、口腔内写真、歯型、治療経過などの資料を用意してもらう必要がありますが、ここで快く対応してくれるのか、嫌そうに対応するのかもチェックポイントです。
先ほども言いましたが、歯列矯正は長期にわたる治療になるのが基本です。担当医に不信感が残るような状態では、治療全体の満足度にも影響しかねないため注意しましょう。