
高額な費用と長い期間をかけて歯列矯正をするにあたり、「やらなきゃよかった」「こんなはずではなかった」と後悔する事態は絶対に避けたいもの。
とはいえ、治療後の仕上がりに満足する声がある一方、不満の声を上げる方が一定数いることもまた実情。特にこれから治療を受ける方については、一番気がかりとなる点ではないでしょうか?
本記事では、歯列矯正を「やらなきゃよかった」と感じる背景や根本的な原因をはじめ、具体的にどういったことで後悔しやすいのか、後悔・失敗しないためのポイントまで解説していきます。

26.09.14

高額な費用と長い期間をかけて歯列矯正をするにあたり、「やらなきゃよかった」「こんなはずではなかった」と後悔する事態は絶対に避けたいもの。
とはいえ、治療後の仕上がりに満足する声がある一方、不満の声を上げる方が一定数いることもまた実情。特にこれから治療を受ける方については、一番気がかりとなる点ではないでしょうか?
本記事では、歯列矯正を「やらなきゃよかった」と感じる背景や根本的な原因をはじめ、具体的にどういったことで後悔しやすいのか、後悔・失敗しないためのポイントまで解説していきます。

目次

歯列矯正を「やらなきゃよかった」と後悔する原因には、理想の仕上がりにならなかった、老け顔になったなど様々ですが、そもそもの根本的な原因は次の3点が挙げられます。
仕上がりに対する希望はもちろん、治療方針について医師とコミュニケーションを十分に取らず、言われるがままに治療を進めると「思っていた仕上がりと違う」となりやすくなります。
患者が重視するポイントは人それぞれです。前歯の悩みを重点的に治したい人もいれば、横顔の印象まで改善したい人、見た目よりも噛み合わせ改善など機能面を重視して治したい人までいます。
ゆえに「歯並びを改善したい」「キレイにしたい」という曖昧な表現だけでは、医師が考える治療目標と患者が望む結果にギャップが生じてしまうことがあります。
なお、2015年に発表された研究報告でも「治療満足度は見た目の改善のみならず、治療中に疑問や不満を伝えられず、最後まで医師に任せきりにすることも後悔の要因になる」とされています。
したがって、治療を受ける際は自発的に医師とコミュニケーションを取り、治療を進める上で両者の認識のズレを極力無くすことが重要です。
歯列矯正で改善できる範囲を正しく理解していないと、正しく治療が行われても満足できないことがあります。
歯列矯正の中心は、歯の移動により、歯並びと噛み合わせを整えること。その一方で、顔の左右バランス、顎の大きさ、Eライン、鼻や頬の形、ほうれい線など、歯の移動だけでは大きく変えられない要素もあるのが実情です。
特に歯列矯正は美容目的で受ける方も多いことから、こういった要素の改善も期待しているケースがありますが、すべて実現するとは限らないため、治療前に「改善が見込める部分」と「矯正だけでは変えにくい部分」をしっかり確認しておく必要があります。
医者側の問題が後悔の原因になるケースもゼロではありません。
まず代表的な例として挙げられるのが、治療前の診断ミスです。具体的には、症例に適していない治療方法を適用したことにより、計画通りに歯が動かず治療期間が長期化する。患者の悩みが十分に改善されないまま治療が終わるなど。
続いて、挙げられるのが技術不足です。正しい治療方法が適用されたとしても、必要以上の力を歯に掛けたことで歯肉退縮が過度に進行する。嚙み合わせが狂ったまま治療が終わり、慢性的な頭痛や吐き気の原因に繋がってしまうなど。
これらは、いずれも医師の経験不足・技術不足が由来しているケースが多い傾向にあります。歯列矯正における結果は「誰が治療を行うか」が最も影響すると言っても過言ではなく、ゆえに失敗を避ける上で医院・医師選びが非常に重要な要素となります。

根本的な原因を踏まえた上で、治療後に「やらなきゃよかった」と感じる代表例は次のとおりです。
以前よりも歯並びが整ったとしても、自分が重視していた部分が十分に改善されていなければ、理想の仕上がりにならなかったと感じるものです。
医師が評価する治療結果には、歯並びのみならず、噛み合わせ、歯列の幅、歯根の位置なども含まれます。一方、患者は前歯の見え方、笑った時の印象を特に重視する傾向にあるため、医師が医学的に良好と考える結果と、患者が美しいと感じる結果が必ずしも一致しないケースがあります。
前述のとおり、原因は言うまでもなく医師とのコミュニケーション不足であり、治療前には正面・横顔・笑顔の写真を見せながら、特に改善したい部分を共有することが重要です。
ただし、骨や歯根、歯茎の状態によっては、すべての希望を実現できないこともあるため、治療上の妥協点も確認しておく必要があります。
歯列を後方へ大きく動かすような治療では、口元の印象が予想以上に変わることがあり、「以前よりも老け顔になった」「ほうれい線が強調された」「ブサイクになった」と感じる人がいます。
特に重度の出っ歯などの場合、抜歯でスペース確保を行った上で、歯列全体を後方に下げる治療がしばしば行われます。これにより出っ歯は改善される一方、引っ張られていた皮膚が元に戻り、人によってはたるみの原因となり、結果的にほうれい線が強調されて老け顔の印象が強まるケースがあります。
この他にも、治療中の痛みで硬い食べ物を避けるなど、長期間にわたって咀嚼回数が減少すると、口輪筋や咬筋が萎縮。これにより、頬がこけて不健康な印象を与えるケースもあります。
残念ながら、これらは歯列矯正を受ける以上、誰しもに発生しうることであり、そのリスクを予め理解・納得した上で治療を受ける必要があります。
基本料金だけで予算を組むと、各種処置や調整料、保定装置代などで予算を超えることがあります。
歯列矯正は装置代のみならず、初診段階での相談料・精密検査料・診断料、IPRや抜歯などの事前処置料、ワイヤー矯正の場合は調整料、マウスピース矯正の場合は破損・紛失時の追加装置料、保定期間のリテーナー代・診察料など、多岐にわたって費用が発生するシーンがあります。
この際、予算オーバーになるかどうかを左右しやすいが「医院の料金体系」です。具体的には「トータルフィー制(定額制)」と「処置別払い(都度払い)」の2種がありますが、後者は通院の度に費用が発生する料金体系であるため、治療が長期化すると費用が膨らみやすい性質があります。
特に歯列矯正は長期治療になるケースも多いため、できる限り予算内で治療を行いたいと考えるであれば、トータルフィー制の医院を主軸に考えると良いでしょう。
歯列矯正の治療期間には個人差があり、予想していた治療期間よりも数ヶ月、あるいは年単位での長期治療になるケースも珍しくありません。
特に治療期間を左右する要素として挙げられるのが、「症例の度合」と「年齢・体質」です。例えば、同じ出っ歯でも、単に前歯が傾いているだけのケースと、歯列全体に問題があり前歯が押し出されているケースでは、必要とする治療範囲が異なるため治療期間も当然異なります。
これに加え、年齢・体質の影響も受けます。歯列矯正は「骨代謝(骨の吸収と再生)」のメカニズムを利用して歯を動かしますが、加齢に伴って骨代謝は落ちる傾向があり、人によっては弱い力で長期間の治療が必要になるケースもあります。
医院の症例紹介ページでは「出っ歯が半年で治った」といった事例が紹介されていることもよくありますが、必ずしも自分も同じような期間で治るとは限らない点には注意が必要です。
動的治療後には、動かした歯を定着させるための保定期間が始まります。この際、リテーナーと呼ばれる保定装置の装着を怠ると、歯が元の位置に戻る「後戻り」が高い確率で発生します。
特に動的治療直後は、歯並びが整ったこと、違和感のある装置から解放されたこと、痛みや食事制限から解放されたことなどが相まって満足し、保定期間の治療を軽視してしまう人も一定数いるのが実情です。
保定期間に対する認識が甘いと、数年後には元の状態に近いところまで歯並びが戻るケースもあります。こうなった場合は再び高額な治療費が発生する可能性があるため、保定期間もしっかり治療に参加する意識を持つことが大切です。

歯列矯正で失敗・後悔しないためのポイントは、次のとおりです。
歯の矯正は「矯正歯科」や「専門医」の元で受けることが特に重要です。
一般的に多く分布しているのは「一般歯科」と呼ばれるカテゴリーの歯科医院であり、虫歯や歯周病、入れ歯・ブリッジなどの治療を中心に行っています。こういった医院でも歯列矯正を取り扱っている場合はあるものの、矯正の専門医が在籍していないケースもしばしばあります。
前述しましたが、歯列矯正の結果は「誰が治療を行うか」で大きく左右されます。とりあず近所の歯医者に相談してそのまま治療を受ける、といったケースも散見されますが、結果にこだわるのであれば「矯正歯科」や「専門医」の元で治療を受けることをおすすめします。
短期間・低コストの「部分矯正」を希望する方は非常に多いですが、必要に応じて「全体矯正」も視野に入れて検討することが大切です。
こちらも前述しましたが、必ずしも医院で紹介されている症例が自分にも当てはまるわけではありません。部分矯正では根本的な解決に至らず、無理に部分矯正を施しても満足のいく結果が得られなかったり、数年後に再治療が必要になる恐れもあります。
そのため、医師の診断結果を聞いた上で必要なら全体矯正を検討する。その内容にどうしても納得がいかないのであれば、他院でセカンドオピニオンを受けるのもおすすめ。
総じて、他人の症例ベースではなく、自分の症例ではどんな治療が最適解なのかしっかり把握して治療を進めるようにしましょう。
治療前には、医師にリスクについてしっかり聞いておくようにしましょう。
症例によっては、老け顔の印象が強まるなど見た目の問題をはじめ、歯根吸収や歯肉退縮のリスク、ブラックトライアングル(重なり合っていた歯が正されることで生まれる歯同士の隙間)のリスクなども確認しておきましょう。
いずれも個人差のある話で、完全に防ぐことは難しい側面はあるものの、あえて装置の力を控えめに長期治療で治すなど、リスクを最小限に抑えた治療方針も提案してもらえる可能性があります。
できる限り予算内で治療を進めたい方は、トータルフィー制の歯科医院を選ぶのがおすすめです。
前述のとおり、トータルフィー制は定額制の料金体系のことで、治療前に総額費用を支払う形式となります。治療前に総額費用が把握できることはもちろんのこと、事前処置や通院回数の多さに影響されない他、長期治療であっても原則追加費用なしで治療を最後まで進められるが特徴です。
医院の料金体系については公式サイトの料金ページに記載されていることが一般的ですが、詳細が記載されていないようなケースもあるため、そのような場合は直接確認するようにしましょう。
保定期間中も医師の指示どおりにリテーナーを装着し、定期通院も怠らないようにしましょう。
保定期間は医師によって見解が分かれますが、一般的には1~2年です。最初のうちはリテーナーを常に装着するところから始まり、一定期間が経過したら就寝時のみなどに緩和。定期通院も3ヶ月に1回、6ヶ月に1回、1年に1回と間隔が開いていくのが一般的です。
総じて、自己管理が必要になる治療フェーズですが、後戻りを防ぐためにも慢心せずにしっかり取り組むことが重要です。

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